地域と一緒につくるウェディング
“ 歴史と文化を後世へ繋ぐ ”
9月9日 重陽の日に行われた地域と一緒につくるウェディング。
お二人は設計事務所に勤務しており、これまで地域の蔵文化などに触れる機会があり、建物から見る地域の歴史・文化を大切にしたいと思ったそうです。今回のウェディングは、そんなお二人の「大切な家族に楽しいひとときを過ごしてもらいながら、地域の歴史と文化を後世へ繋いでいきたい」という想いから生まれました。
挙式は河北町指定文化財の「安部権内家」、披露宴は「NIPPONIA白鷹 源内邸」で行い、それぞれの会場を今回のウェディングのモチーフである「紅花」が繋ぐ役割をします。
ー 挙式 ー
天気にも恵まれた昼過ぎ、長持唄を響かせた花嫁行列が安部権内家へと続きます。たくさんの地域の方々に見守られる中、華やかに飾られた薬医門にて花嫁を迎えます。
その後、輪島塗の酒樽、源氏物語が描かれた屏風など江戸時代から受け継がれてきた品々が並び、蜜蝋燭の灯が灯る座敷蔵にて、おくあいの儀が滞りなく執り行われました。
挙式を行う上で大切にしたのは、豊かな文化を生み出してきた「安部権内家」を生きた文化遺産にしていくこと。お二人ならではの「地域の歴史・文化」を未来につなぐ建物の活用法で、現代における価値が生まれ、祝いの場を通じて表現しました。安部権内家を保存する会をはじめとした “地域” と一緒につくるウェディング。これからも町の伝統として受け継がれていくことを願っています。
ー 二人がつなぐ、エンナーレ ー
縁を繋ぎ、円になって、宴をする。
挙式を終え、写真撮影を行った後は披露宴会場の「NIPPONIA白鷹 源内邸」へ。
白鷹町にある源内邸は明治中期から大正初期頃に建てられた、地域を守り、発展を支え続けてきた邸宅です。敷地内には母屋を中心に様々な蔵が点在し、広大な庭には希少な樹木たちが四季を彩ります。歴史ある、自然に囲まれた会場で、久しぶりに集まった家族とゆっくり語り合う… そんな披露宴「エンナーレ」が行われました。
エンナーレには、自分の居心地のいい場所を探しながら好きな時間を過ごして欲しいというお二人の想いが込められています。縁を繋ぎ、円になって、宴をする「一生に一度の宴になーれ」。途中には、家族からのサプライズがあったり、家族への感謝を伝えたりしながら、笑あり涙ありのかけがえのないひと時となりました。
おふたりのご感想
互いに違う土地で生まれ育った私たちが、山形でいろいろなひと・モノ・コトと出会って「今こんなところで元気に暮らしているよ」 「ここまで育ててくれてありがとう」を伝えられたらいいなというのがはじまりのひとつでした。
また、仕事柄、古くからの地域の建築に触れる機会があり、そこで営まれてきた暮らしぶりや、大切にその場所を守ってきた人たちの思いを聞きました。そんなふたつが重なって「私たちらしい」「この地域らしい」「はじめてだけどなつかしい」結婚式ができないかと local wedding さんへお願いしました。内容もふわふわしていて会場も設備は整っていない難題だらけのスタートでしたが、家族や親戚たちから今までにない本当に良い式だったと改めて連絡をいただき、心から良かったと思える結婚式を挙げることができました。
ひとつひとつ丁寧に話を紐解いてカタチにしてくださった有紗さん、式場としてだけでなく花嫁行列や式の段取りまで尽力いただいた保存会の方々、関わってくださったみなさまの支えで心に残る大切な日となりました。本当にありがとうございました。
担当プランナーより
お二人の「地域の歴史と文化を後世へ繋いでいきたい」という想いから始まった、地域と一緒につくるウェディング。未来につなぐ建物の活用法から新たな価値が生まれました。お二人の想いを紡ぎ、かけがえのない時間をつくるお手伝いができましたこと、嬉しく思います。結びに、今回ウェディングをご依頼いただいた新郎新婦のお二人。本当にありがとうございました。これからも穏やかで幸せな日々が続くことを、こころより願っております。
Team
Produce / Local wedding
ー Planner / Arisa Wada
ー Art Planner / Nanae Ibuchi
ー Staff / Haruka Kurokawa
Photo / Jo Igarashi
Location / 安部権内家・NIPPONIA白鷹 源内邸